父を亡くした母の大きな喪失感
母は70歳の時に夫(わたしの実父)を亡くしました。
自営業でしたので、ふたりはいつも一緒でした。
買い物も、休日のおでかけも、父が癌を患う前は入浴まで一緒でした。
そんな日常でしたので、その時の悲しみ・落胆ぶりは相当なものでした。
母は社交的な人で、友人には恵まれていましたので、なんとか気力は取り戻していきましたが、最近までスーパーにひとりで買い物にはいけませんでした。
どうしても父を思い出してしまうようでした。
そして仲良く買い物をしているご夫婦をみるのが辛かったようです。
予期せぬ喜び!84歳で芽生えた新しいパートナーシップ

そんな母に同い年の彼氏(というのか)ができた時は、
微笑ましくもあり、ちょっと驚きもありました。
世の中、何が起こるかわからないものです。
彼氏というのはやはり違和感があるので、ここではお相手と呼ぶことにしましょう。
母は早朝6時には家を出て、お相手の家にいきます。
ふたりで朝食をつくって食べるそうです。
お相手も数年前に奥様を亡くされていました。
長年奥様の介護をされていたので、やはり亡くなったときは喪失感がひどかったそうです。
そして一回戻って家のことをやり、また夕方4時くらいにはお相手の家にいきます。今度は夕食です。
ふたりの出会いは4年前、ご近所のカラオケ屋さん。
お互いに友人に連れられて出会ったそう。今では毎日寄り添っています。
大人がパートナーシップを必要とする理由
喪失感を埋めるのは「日常のシェア」
母と彼が毎日行っているのは、早朝の朝食づくりと、夕食づくりです。
これは、若者のロマンチックなデートというよりも、長年夫婦が共に送ってきた「日常の空白」を埋める行為そのものです。
奥様の介護を終えられたお相手も、父を亡くした母も、どちらも「誰かのために動く時間」と「隣にいる誰か」を失いました。
- 大切なのは「行為」ではなく「隣にいる安心感」
- 誰かが淹れてくれたお茶を飲むこと。
- 誰かに「おかえり」と言ってもらうこと。
- そして、自分が作る料理を「おいしい」と言ってくれる存在がいること。
老後の人生において、これらの**「日常のシェア」**が心の健康を保つ土台になるのだと、母たちを見て気づきました。
「大人の恋愛」は不安を安心に変える

40代、50代、60代の私たちも、子育てが一段落したり、離婚を経験したりすると、
**「この先、一人で生きていけるだろうか」**という漠然とした不安に襲われます。
母の再出発は、私たちに大きなヒントを与えてくれます。
**「高齢になってからでも、心の繋がりは築ける」**ということです。
母たちの恋愛は、純粋な愛情だけでなく、**「孤独からの解放」**という側面が強いのかもしれません。
孤独は、心の再生を妨げる最大の敵です。
経済力や体力だけでなく、精神的な支えをいくつになっても探し、求め続けることが、豊かな老後につながります。
「出会いの場」はカラオケで十分
ふたりの出会いは、華やかなパーティーでも、マッチングアプリでもなく、ご近所のカラオケ屋さんでした。
これは、「人生を変える出会い」は、身近な日常の中にこそあるということを示しています。
離婚や失恋を経験した後、「もう恋愛なんて」と心を閉ざしてしまうかもしれません。
しかし、母の例が教えてくれたのは、
人生の再スタートを切るのに、特別な場所や準備は必要ない。
友人との付き合い、地域活動、趣味の場など、**「あなたが心から楽しめる場所」**にこそ、新たなパートナーシップの種が落ちているということです。
さあ、どんどん外に出かけようじゃありませんか。
あなたらしい「心の再生」に向けて
母は、父を亡くした喪失感を**「新しい日常を築くこと」**で乗り越えました。
これは、まさに**「心の再生」**です。
あなたが今、失恋、離婚、人間関係のトラブルで立ち止まっているとしても、
人生のどの段階からでも、あなたは新しい人間関係や豊かな日常を築き直すことができます。
「れもは|心の再生サロン」では、その一歩を踏み出すための心の土台づくりをサポートしています。
- 寂しさや喪失感を乗り越えるための具体的なステップを知りたい方は、
[①失恋・離婚の悩み]カテゴリーをご覧ください。 - 自分らしい生き方を見つけるためのヒントは、[④体験談・コラム]で発信中です。
